15 生生流転(しょうじょうるてん)――岡本かの子
・・・・・・逃れて都を出ました。鉄道線路の
ガードの下を潜り橋を渡りました・・・・・
----从城里逃了出来。我从铁路的护栏下爬了过去,过了一座桥・・・・・・
道は闇の中に一本筋西に通っております。両側は田圃(たんぼ)らしく
泥の匂いに混じった青臭い匂いがします。蛙がしきりに鳴いております。フェルト草履の裏の土にあたる音を自分で聞きながら私は
足に任せて歩いて行きました・・・・・・
----在黑暗中我看见一条大路笔直地指向西方。路两边好像是水田,可以闻到一股夹杂着青苗味的泥土气息。青蛙们在发疯似地鸣叫。我听着自己的草鞋落在地面上的声音,漫无目的而又马不停蹄地走着・・・・・・。